症状緩和目的の放射線治療(がん緩和放射線治療外来)
高精度放射線治療の多くは、転移のないがん患者様の根治を目指す目的で行われますが、すべて完治できるという夢の治療ではありません。これは、高度先進医療で行われている陽子線・粒子線治療や抗がん剤治療も同様で、すべてを完治できる治療法ではありません。
しかし、放射線治療ができることはたくさんあります。
がん患者様は、痛みを伴い大変な思いをされている人もいれば、全く症状がないなど、人それぞれ症状が異なります。
髪の毛が抜けた、気持ちが悪くて食欲がない、風邪をひきやすくなったなどの症状に恐怖を感じる人も多いと思いますが、実はがんそのものの症状はかなり進行しないと出ない場合が多いのです。
がんは、それ自体や転移病巣が大きくなって臓器を押したり、骨を折ったり、神経を圧迫する痛みなどの症状を出します。全身の骨に転移があっても痛いのは腰だけで、調べてみたら骨転移の一つがたまたま腰部神経を押していたということがよくあります。また、腫瘍が食道を圧迫してご飯が通らなくなったり、空気の通り道を圧迫して息苦しくなったりすることもあります。
このようなとき、痛みの原因、食べられない原因、息苦しさの原因の病巣への放射線治療が有効です。
放射線治療を行うことで、これらの病変は高い確率で縮小し、縮小とともに症状は取れていきます。他の病巣の治療をしなくても、症状が取れることで普通の生活を送ることができるようになる方もいます。
このような放射線治療を『緩和照射』といい、骨転移の痛みについては80%以上の人が痛みの軽減を実感していることが知られています。
緩和照射の場合、新たな症状の出現に配慮しながら副作用の出ない工夫をし、通院回数も1回から10回程度と通院の負担を少なくしながら治療を進めていきます。
治療法がないとされ在宅にて療養されている患者様でも、痛みの原因ががんの場合は、通院での治療や通院困難な患者様の治療期間のみ入院での対応も行います。また、高齢や合併症のため手術や抗がん剤治療ができない患者様でも、放射線治療は副作用が少ないため治療可能な場合があります。
当センターでは、患者様お一人お一人の痛みに対し「放射線治療でできることはないか」「今ある痛みは放射線治療で軽減できるか」など検討し、できる限りの対応をさせていただきます。また、疼痛の原因が不明なときや放射線治療の対象になるかの判断が必要なときなど、必要に応じて検査や診断なども行います。
がんの痛みに不安をお持ちの患者様は、遠慮なく当センターにご相談ください。