呼吸器外科

呼吸器外科とは

胸部の疾患(肺癌、自然気胸、縦隔腫瘍など)および胸部外傷(胸部打撲傷、肋骨骨折、胸骨骨折、外傷性血気胸、肺挫傷など)に対し、外科的治療を行う診療科です。交通事故、転倒などにより胸部に疼痛(痛み)のある患者様、かかりつけ医から胸部(肺および縦隔)の手術を勧められた患者様は当科を受診してください。(特に学生の患者様で、通院での治療を希望される自然気胸の患者様は当院受診をお勧めします)

科の特徴

当科の特色は、身体に対する影響が少なく(低侵襲)、傷も小さい(美容的)胸腔鏡下手術を積極的に取り入れていることです。 自然気胸、肺生検などの肺部分切除術は、細径胸腔鏡器具(直径3.5mm)を使用して従来の胸腔鏡下手術よりも更に低侵襲・美容的に手術を行っています。肺癌に対する標準的手術である肺葉切除術(片方の肺の約1/2〜1/3程度の肺葉を袋ごと取る手術)は、胸腔鏡補助下約8cmの皮切(傷)で行っています。
ほとんどすべての手術に対しクリニカルパス(処置・検査などのカテゴリー別に、診療・ケア行程を時系列で一覧にしたスケジュール表)を導入し、 患者様、医療スタッフに分かり易い(ヒヤリ・ハットのリスクが少ない)術前・術後管理になっています。

自然気胸の患者様の場合

基本的に外来通院で治療を行います。虚脱(肺の潰れ具合)の程度で
①安静のみで経過(通院)を診ていく
②携帯型胸腔ドレナージセット(ソラシックエッグⓇ)を外来で挿入留置(管を局所麻酔で胸の中に入れること)し通院で治療を行います。(学生の患者様の場合は学業および受験には支障が起きないよう配慮いたします)保存的治療(安静、胸腔ドレナージ術)で軽快しない場合や再発を繰り返す場合には手術を行います。
手術は前述のように細径鉗子類を用いて完全鏡視下(手術室のモニター画面だけ見ながら行う手術)で行います。手術で使用するポート(カメラや鉗子を入れる管)は、3.5mmを2カ所、12mmを1カ所、合計3カ所留置します。この手術では、術後の疼痛(痛み)も少なく傷も小さいため、特に女性の患者様は喜ばれます。手術を含めた入院期間は、予定通りの術中術後で経過した場合、2日から3日になります。(術後の経過で延長する場合もあります)
手術になった場合の大まかなスケジュールについて下記に示します。(実際に手術される患者様には詳細な経過表(クリニカルパス)をお渡しします)

自然気胸・入院スケジュール例

日程 1日目(金) 2日目(土) 3日目(日)
午前 入院 採血(食前) 朝食
朝は飲水のみ 朝食(普通食)  
(固形物は禁止) 胸部レントゲン 退院
9:00以降は
絶飲食
(または午後)
  胸腔ドレーン※抜去  
午後 手術 昼食  
術後6時間は
絶飲食
   
(麻酔から
の覚醒)
退院  
  (問題ない場合)  

※    胸腔ドレーンとは
手術中に胸の中に留置する管(くだ)のことで、術後出血の有無、肺からのリーク(空気もれ)を管理・監視するための管のことです。術後出血もなくリークも無い場合に胸腔ドレーンを抜去します。

間質性肺炎、肺表面に存在する肺腫瘍(良性もしくは悪性)に対する胸腔鏡下手術の場合も、自然気胸の場合と同様の入院経過です。ただし、患者様の状態(年齢、全身状態、合併症など)で入院期間が延長します。

肺癌の患者様の場合

手術前日入院を基本にしますが、合併症の有無によって入院日が変わります。(例えば、糖尿病患者様の場合、術前の血糖コントロール目的で、手術1週間前から入院して頂きます)手術は前述したように胸腔鏡を用いて行います。手術術式は胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除術+リンパ節郭清が基本術式)となります。患者様の年齢、全身状態、合併症などにより肺葉切除術ではなく部分切除術もしくは区域切除術(肺葉切除術と部分切除術の中間くらいの手術)に変更する場合もあります。
実際の入院経過について概説します。合併症もない患者様の場合、たとえば、木曜日に入院して頂きます。入院説明、前処置等行った後、翌日の金曜日に手術を行います。術後1病日(土曜日)から食事の開始、歩行訓練、呼吸訓練を行います。術後2〜3日で前述した胸腔ドレーンを抜去します。術後は呼吸リハビリテーションと口腔ケアを行い退院に備えます。術後7病日(翌週の金曜日)に採血・胸部レントゲン撮影を行い、問題ないことを確認し退院となります。(患者様と家族の都合で土日の退院も可能です)
以上が自然気胸と肺癌治療の概要です。詳細は外来もしくは入院してから説明いたします。(クリニカルパスを示しながら)

診療担当医のご紹介

病院長 鈴木 一也

略歴
昭和59年 浜松医科大学大学院博士課程修了
同年 静岡県立総合病院呼吸器外科勤務
昭和62年~ 浜松医科大学第一外科
  助手、講師、助教授、准教授を経て
平成22年 浜松とよおか病院院長、浜松医療センター呼吸器外科非常勤
平成24年 すずかけセントラル病院院長
資格
  • 日本外科学会認定医・指導医・外科専門医
  • 日本胸部外科学会認定医・指導医
  • 日本呼吸器外科学会指導医・専門医・評議員
  • 日本内視鏡外科学会評議員
  • 日本気胸・嚢胞性肺疾患学会評議員
  • 日本肺癌学会評議員
  • 日本臨床外科学会評議員
  • 日本禁煙学会アドバイザー

呼吸器外科部長 大井 諭

略歴
平成元年 浜松医科大学医学部卒
同年 掛川市立総合病院(研修医)
平成2年 藤枝市立志太病院(外科)
平成4年 静岡県立総合病院(呼吸器外科)
平成7年 浜松医科大学第1外科
平成8年 榛原総合病院(呼吸器外科)
平成11年 富士宮市立病院(外科・呼吸器外科)
平成13年 磐田市立総合病院(呼吸器乳腺外科)
平成29年 すずかけセントラル病院(呼吸器外科)
資格
  • 日本外科学会認定医・専門医・指導医
  • 日本胸部外科学会認定医
  • 呼吸器外科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 緩和ケア研修(PEACE)修了

呼吸器外科部長 松下 晃三

略歴
平成4年 浜松医科大学医学部卒
平成5年 共立菊川病院外科
平成8年 浜松医科大学大学院医学系研究科博士課程 入学
平成12年 浜松医科大学大学院医学系研究科博士課程 修了
  JA静岡厚生連 遠州総合病院外科
平成16年 磐田市立総合病院呼吸器外科
平成28年 すずかけセントラル病院呼吸器外科
資格
  • 日本外科学会認定医・専門医
  • 呼吸器外科専門医
  • 肺がんCT検診認定医
  • 緩和ケア研修(PEACE)修了
  • 回復期リハビリ病棟専従医
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