広範囲MRI検査(DWIBS法)

広範囲MRI検査(DWIBS法)

広範囲MRI検査(DWIBS法)とは『一度に体の広範囲のMRI撮影を行い、がんの転移の広がりを調べる』検査で、およそ40分程度の検査時間で受けることができます。DWIBS法撮影と他のMRI撮影を合わせることで、多くのがん転移検索においてPET/CTと同程度の検索が可能であることがわかっています。
また、DWIBS法を開発された高原医師(元 東海大学教授:現 高原クリニック院長)が週1日程度来院され、最適なMRI画像撮影ができるよう自ら品質管理を行っています。

DWIBS法で撮影するとがんの部位が黒く光り、患者様からみても「どの位置に病気があるのか」が理解しやすい画像となります。
当センターでは、2024年『さらにがんが分かりやすくなる画像解析法』を独自に開発し、今までの検査との整合性を検討しながら、より分かりやすくがんのみが抽出されるよう取り組んでいます。
これまでのDWIBS法では、元々高信号で抽出される「脳・脊髄・リンパ節・脾臓・卵巣等の臓器」にがんがある場合、がんがより強調されて映ります。悪性度の高いがんの抽出能が上がる反面、悪性度が低く良性に近い腫瘍の抽出能が下がることもあります。腫瘍の見逃しを防ぐため、「従来法」と「独自開発した画像解析法」の両方を使用して判断します。
2012年の開院当初より行っているDWIBS法検査も、2024年には5,000件を超えました。画像の評価は、10年程前より当センターの境野医師自ら行い、より正確な診断に努めています。

DWIBS法はMRIを使用する検査のため、放射線被ばくがありません。造影剤も必要なく、造影剤を用いたCT検査と比べても安価で受けることができます。「比較的安価」「無被ばく」「非造影」であるため、被ばくが心配な方や造影剤を使うことに抵抗のある方でも安心して受けられる検査です。
また、体への負担が少ないため、何らかの症状が出たときや腫瘍マーカーが上昇したときなど、必要なタイミングでの検査が可能です。似たような検査にPET/CTがありますが、被ばくや費用の面からも年に複数回受けることは困難です。必要に応じ、繰り返しDWIBS検査を行うことで「今行っている治療でどの程度良くなっているのか」等判断することができます。

〔注意〕

  • MRIで行う検査のため、ペースメーカーなど体内金属のある方には施行できない場合があります。
  • がんの精査に優れた検査ですが、肺の中の評価や腎臓がんの原発巣の評価は、他の臓器評価と比較して若干精度が落ちる場合もございます。

 

画像処理(ADC color map)





DWIBS検査に、更に画像処理(ADC color map)を行うと、コンピューター解析によりがんが疑われる部位を自動で認識し、その体積を計測することができます。







画像解析をしなくても、DWIBS検査で放射線治療を施行する前と後を比較することでがんが減っていることが分かります。






図9の症例に、治療前後のADC color mapを作成すると、放射線治療を施行した部位にのみ効果がでており、増加した骨転移の体積が増えても治療部位は良くなっていることが分かります。

















骨転移の治療効果を、体積のみでなく「ヒストグラム」で表示解析することもできます。
このページの先頭へ