放射線治療とは

放射線治療とは

放射線をがんに照射(当てる)して、がん細胞を攻撃する治療法です。放射線は細胞のDNAに作用します。
がん細胞を攻撃すれば、がん細胞周辺の正常な細胞のDNAにも影響が出ますが、がん細胞は正常な細胞に比べて放射線の影響を受けやすく、回復も悪いことが知られています。
一般的な放射線治療では、この『正常細胞とがん細胞の放射線による影響と回復の差』を利用して、正常細胞への影響(副作用)を少なくし、がん細胞を撲滅することを目指しています。

強度変調放射線治療(IMRT)

通常のがんの根治を目的とした放射線治療は、正常細胞の影響が少ない放射線の量(おおむね2Gy程度)を1日1回約10分毎日少しずつ当てていくため、治療期間が1~2ヶ月かかります。根治照射では、がん細胞への放射線被ばく量を増やし、正常臓器への線量を低減させることを目的に、高精度放射線治療のひとつである「強度変調放射線治療(IMRT)」を用いて正常臓器の被ばく低減に努めています。当センターでは、前立腺がんに対する治療としてIMRTを用い、通常(74~76Gy/37~38回)または寡分割(70Gy/28回・60Gy/20回)の治療をおすすめしています。

 

定位放射線治療

周囲に放射線に弱い臓器がない小さな病変に対して、高線量の放射線を集中させて照射する高精度放射線治療の技術です。通常照射よりも1回の線量を増加させることで、1~10回程度の通院で治療が終了します。
定位照射の主な対象疾患は、早期肺がん・転移性脳腫瘍・その他の脳腫瘍・肝臓がん・転移性肝腫瘍・転移性骨腫瘍・腎臓がん・脊髄腫瘍・オリゴ転移などが挙げられます。

緩和照射

根治目的ではなく、がんによる疼痛などの症状を改善することを目的に行われる照射です。
緩和照射は、症状の原因部位のみ(狭い範囲)への治療を行うことが多く、症状によって1~20回程度の照射となります。痛みの程度や原因などを考慮し、照射範囲や回数などを決めていきます。

当センターにおける放射線治療

当センターでは、患者様の状態に合わせる「オーダーメイドの治療」を心がけています。
1回の治療であれば、初診時に治療に必要な検査等も併せて行い、治療日を含め2回の通院で治療を完結することもできます。また、通院治療だけでなく患者様の状況に応じて入院による治療も可能です。その他、疼痛の原因ががんによるものなのか?他に原因があるのか?など、症状に不安や悩みを抱えている方に対して画像検査等による原因究明のための診療にも対応しています。

このページの先頭へ