高齢者に対する放射線治療

高齢者に対する放射線治療

日本は高齢化社会を迎え、高齢のがん患者様を治療する機会が年々増えています。
放射線治療は、その副作用が軽度であることから、麻酔や手術、化学療法が困難と言われた方でも治療適用になるケースが多く見られます。当センターでも開院当初(2013年3月)から2025年1月までの約12年間で、80歳以上のがん患者様408人(内90歳以上50名:最高齢98歳)に対し、放射線治療を施行いたしました。



90歳以上の治療内容
 
  • 早期肺がんに対する根治的放射線治療
  • 胃がんの止血のための緩和照射
  • 皮膚腫瘍の匂いや出血の改善
  • 骨転移の疼痛改善
  • 転移性脳腫瘍に対する治療



当センターでは、患者様の年齢や学術的なエビデンス(根拠のある臨床試験の結果など)ではなく、患者様の症状の有無、根治の可能性の有無、日常生活動作や全身状態などを加味して、効果のメリットが副作用のデメリットよりも大きいと判断した場合、患者様に治療についての説明を行います。話し合いの末、治療の同意が得られた場合のみ、個々にオーダーメイドの放射線治療を行います。
がんは増悪してからつらい症状が出る疾患です。「治療法がない」「高齢だから治療しない方が良い」と言われた場合でも、何らかの治療ができる可能性もあります。早期がんの根治を目指すだけでなく、根治は難しくても「生きている間は痛みなく過ごせるように」「自分で歩いてトイレに行ける時間を少しでも長く保つように」、患者様が少しでも長く自分らしい生活が送れるよう、高齢者のがん治療のひとつの手段として放射線治療をご提供します。
ご高齢で通院が難しいなどお困りごとや不安などありましたら、遠慮なく当センターまでご相談ください。入院治療なども検討し、安心して治療を受けていただけるようにサポートいたします。

※放射線治療は、一人でベッド(治療台)に乗って行うため、治療中に他者が付き添うことはできません。認知症等で10分程度安静に寝ていることが難しい場合には、転落の危険を考慮して予め治療をお断りする場合がございます。ご了承ください。
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