肝臓内科

肝臓は「沈黙の臓器」とも言われ、自覚症状が出ないことも多くあります。
倦怠感や食欲不振、黄疸などの症状があって受診するよりも、かかりつけ医で偶然に発見されたり検診で異常を指摘されて受診するケースの方が多いのが現状です。
肝障害は、自覚症状がなくともしっかり早く治療することが大切です。

対象疾患

ウイルス性肝炎・アルコール性肝障害・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)・自己免疫性肝炎・肝硬変・肝細胞癌など、肝疾患全般に幅広く対応いたします。

診療内容

B型肝炎・C型肝炎

B型肝炎やC型肝炎は、日本の肝障害の原因の大きな比率を占めてきました。
肝炎は10年あまりかけて慢性肝炎や肝硬変、肝細胞癌へと進行するばかりでなく、感染症であるため家族間での感染リスクもあり、治療が推奨されています。

以前はインターフェロン(注射)を用いた治療が行われてきましたが、抗ウイルス薬の進歩により治療が劇的に改善され、副作用も少なくなりました。
特にC型肝炎は、2ヶ月の内服治療で98%の根治率の報告もあり、短期間で非常に治療効果が期待できる状況となっています。

抗ウイルス薬は高価な薬剤ですが、B型肝炎・C型肝炎いずれも治療費助成制度を受けることが可能です。

肝細胞癌

肝細胞癌の治療は、近年治療成績の良い薬剤が登場し『治療のパラダイムシフト(当然のことと考えられていた認識や価値観が劇的に変化する)』が起こるとまで言われています。
特に、免疫ポイント阻害薬と分子標的薬(アテゾリズマブ・ベバシズマブ)は、従来薬より好成績が報告され、当科での施行が可能となっています。
造影MRI検査を始め、肝臓を専門領域とする外科医や放射線科の専門医も当院に在籍しており、薬剤だけでなく外科手術やカテーテル治療などの対応も可能です。

アルコール性・非アルコール性 肝疾患

アルコール性肝障害や脂肪肝による肝障害は、検診異常でよく見られます。
現在の日本の酒類消費数量は、近年の健康志向からピーク時の8割まで減少し、習慣飲酒者も減少傾向です。
その一方で、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は増加傾向にあります。
これは、食生活の欧米化や運動不足による過栄養状態が原因であると考えられ、糖尿病や脂質異常症などと同じような生活習慣病とも言えます。

非アルコール性脂肪肝炎からの肝硬変・肝細胞癌・心血管疾患などの発症を抑えるためには、食事運動療法が必要不可欠です。当院では、栄養士による助言や案内も可能です。
その他合併症に対する投薬治療も行っています。

診療担当医のご紹介

小野 幸矢

略歴
2000年 名古屋大学医学部卒業
2001年 市立四日市病院消化器内科勤務
2006年 掛川市立総合病院消化器内科勤務
2008年 名古屋大学医学部附属病院消化器内科勤務
2011年 名古屋大学大学院医学系研究科分子総合専攻消化器内科学分野卒業
2013年 中東遠総合医療センター消化器内科部長
所属学会および資格
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本消化器病学会専門医・指導医
  • 日本肝臓学会専門医
  • 臨床研修指導医
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